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【工務店の社長日記】私的住宅論その3:ようやく動き出した「省エネ法適合義務化」~吉田建設@高松市~

2024.12.25

来年2025年4月から建築基準法の大幅な改正と省エネ法の適合義務化がスタートします。その実務者講習会に12月23日参加してきました。

建築基準法の大きな改正点は、「4号特例の廃止」中小規模の住宅に関して建築確認申請において構造の部分に関して審査を省略できる特例が廃止され全て審査対象になること。人の命を守る住宅ですから構造に関して基準が上がり、精度のより高い設計図面が求められることになります。

実は「省エネ法適合義務化」がこれからの日本の住宅づくりに大きく影響すると思われます。昨今住宅では断熱性・気密性を重視する建築主様が多くなり、住宅の断熱レベルは徐々に向上されています。しかしながら法的な拘束力はなく、極端なことを言えば無断熱の家でも違法ではないのです。その現状を踏まえて来年の4月から「省エネ法適合義務化」で法律で規定されるようになることです。

従来から、住宅の高断熱化を謳ってきた私にとって、「省エネ法適合義務化」がようやく動き出しただと思っています。基準値も断熱等級4(Ua値=0.87)で、当社の標準仕様断熱等級6(Ua値=0.46)と比較してもまだまだ低いレベルの基準です。

またこの省エネ法適合義務化は、本来令和3年からスタートする予定でしたが、それに対応できない設計者や工務店が多くて、省エネ法適合の説明義務で落ち着き、その猶予を経て適合義務化になる経緯です。(先導的な設計者からみても、世界の住宅の断熱基準をみてもあまりにも遅すぎる。)

今まで住宅の断熱計算をやったことのない設計者にとっては、申請でも「省エネ適合判定」を受けて建築確認申請を提出することなるのでハードルがかなり高くなり、時間と費用が掛かるようになります。来年の4月からの省エネ適合義務化は、これからの日本の住宅政策にとって大きな節目となり、日本の住宅の高断熱化の第一歩なり、この基準数値が将来的にも上がって、住宅の高性能化や価値向上につながればいいなと思っています。

日本が目指す「2050年のカーボンニュートラル」に向けて着実に動き出した実感があります。