吉田建設ブログ

社長ブログ

【工務店の社長日記】原風景の中にある建築とアート~絶対に行くべき香川県の島「豊島」~吉田建設@高松市

2025.5.20

2025年瀬戸内国際芸術祭、第三弾 今回は「豊島」

瀬戸芸期間中とあって混雑は覚悟の上、行き帰りの高速艇は1時間待ちの長蛇の列、レンタサイクルは予約もできず順番待ちでしたが、ギリギリ借りることができました。

天気もよく、海の藍、山と島の緑が絶妙に調和された景色、

ここがホントに香川県?って感じの原風景の連続です。

初めて乗った電動アシスト付き自転車、これが無いとアップダウンの激しい豊島は絶対に無理。

.

今回の主たる目的は「豊島美術館」

建築設計が西沢立衛、アート作品が内藤礼

一滴の水が地上に落ちた瞬間のような建物、建物の中でコンクリート床のいたるところから水が湧き出る「泉」、 その空間に静かに身を置き、自然との調和を感じる。

「想像もできない思考の世界」を全身で、五感で感じる美術館です。

当然内部は撮影禁止なので、買ったハンドブックから引用

シェル構造の屋根に大きな二つの開口があり、そこから見えるのは空と樹木、そこから光や風、鳥の鳴き声が入ってきて、コンクリート床のあちこちの穴から湧き出る水、そこに座ったり寝転がったり座禅したり・・・鑑賞者が好きに時間を過ごし、好きに瞑想する。

世間の雑踏から解放され、ただ水の流れを見ているだけの至福の時。

想像をはるかに超える感動の世界でした。

・・・・言葉で説明するのは難しいので一度行って体感ください。

.

建築技術者として気になるのが、「この建物をどうやって造ったのか?」の疑問

シェル構造の屋根裏面のコンクリートを継ぎ目なく平滑に仕上げることは超難題です。

施工会社のブログから引用

どうやって造ったのかは、まず盛り土をして山をつくり、その表面にモルタルを塗って平滑な局面をつくり、鉄筋を組んでコンクリートを打ち継ぎなく一気に打設する。そして盛り土を撤去する。簡単に見えるようですが、施工難度は最高級レベルです。

.

豊島のもう一つの見どころが「島キッチン」

建築家の安部 良さんの設計、そのテーマは、「食とアートで人々をつなぐ出会いの場」。

2021年日本建築学会賞を受賞しています。なぜ?と思ったのですが、地域の方と共に建物を造り「食」を通して地域の方が集う場所となることが評価されたようです。

何となく、親しみやすく落ち着ける場所でした。

.

豊島と言えば、1980年代大量の不法投棄が社会問題となりゴミの島のイメージがありましたが、今ではその処理も終了し、元の自然の姿に戻りつつあります。

あらゆる人工物で構成された現代社会、やがてそれが廃棄物として蓄積される。

豊島美術館の建築は、その現代社会に対する挑戦であり、自然回帰の象徴だったのかもしれません。・・・・・・私にはそう思えます。

.

豊島は字のごとく”豊かな島”です。

自然の空と海と緑に囲まれ

観光地化されていない原風景とアートが融合した素晴らしい島です。

 〒761-0121   香川県高松市牟礼町牟礼2109-3

 ☎ 087-845-1188

 平日・土日10:00〜18:00

 (水曜・祝祭日・第1日曜日・その他店休日)

 お問い合わせは、お問い合わせフォームまたはお電話で