吉田建設ブログ

社長ブログ

【工務店の社長日記】阪神・淡路大震災から30年を経て思うこと ~吉田建設@高松市~

2025.1.22

1995年(平成7年)1月17日午前5時46分 兵庫県淡路島北部を震源としたマグニチュード7.3、最大震度7の大地震が発生しました。犠牲者は6,434人にも達し、建物の全壊が約10万5,000棟、半壊が約14万4,000棟、鉄道や高速道路にも膨大な被害をもたらし都市機能はほぼ壊滅状態になりました。

それから30年の月日が経ち、節目の年となり、建築に携わる身として考えることがあります。

その日の早朝、我が家でも震度4の揺れが1,2分続き、その揺れで飛び起きテレビをつけて刻々と被害の状況が放映され、大惨事が目に入ってきたこと。また震災直後ボランティアで支援物資の際分け作業に現地入りし、実際に倒壊した建築物を目の当たりにしたこと。今でも記憶の一つとしてはっきりと覚えています。

それまで建築の仕事に携わり、耐震設計や建築設計を学び実践してきたそれまでの経験や誇りが崩壊していく気持にもなりました。

それから東日本大震災、熊本大地震、能登半島地震など近年大地震が続き、今懸念されている南海トラフ地震地震です。現在30年以内に発生する確率が80%となりました。香川でも震度5強から6が想定され、耐震性の弱い建物は倒壊の危険性があります。

当社の新築に関しての考え方は、「耐震等級3(建築基準法の1.5倍の強さ)」は必須です。それだけでは不十分で、大地震の繰り返しの余震に対しての対策、「制震構造(地震の揺れを小さくして建物全体へのダメージを少なくする構造)」を付加することによって、屋根や内装などの主要構造以外の部位の被害を最小限にしなければならないと考えます。

今、考えなければならないことは、昭和57年以前の新耐震基準以前の中古住宅の耐震改修はあまり進んでいないことです。今後、既存住宅の耐震改修は当社の重要な取り組みとして推進していこうと考えています。

また「応急危険度判定」をご存じでしょうか?応急危険度判定とは、大きな地震で被災した建物の危険度を判定することで、建築士を中心に組織され、香川県建築士会でも県の要請を受け、毎年1月17日に応急危険度判定員召集の訓練を実施しています。私も一員として訓練といれども緊張感をもって参加しました。

南海トラフ大地震に向けた対策は着実に進んでいます。