【工務店の社長日記:私的住宅論その4】「聴竹居」から学ぶ~100年前に考えた「日本の住宅の理想形」~吉田建設@高松市~
2025.2.9
京都出張に合わせて、以前から行きたかった「聴竹居」を見学してきました。

「聴竹居」は、建築家の藤井厚二が自邸として設計した京都府大崎町にある建物で、和洋モダンを調和させ、日本の気候と日本人の暮らし方に合った「日本の住宅の理想形」と言うべき住宅建築です。
今から約100年前の昭和3年に完成した住宅で、現在、国の重要文化財に指定されています。


この住宅は住宅設計者にとって、現行住宅建築の元祖と位置づけできる要素が建物内外に組み込まれていて、住宅建築の教科書のような住宅建築です。
内部の写真撮影は許可してもらえましたが、写真のSNSへの投稿は禁止とのこと。ここで学んだことを自分なりに考察してみました。
「聴竹居」HP: 聴竹居|藤井厚二
① 畳と椅子の併用(畳に座った時の目線と椅子に座った時の目線で部位の高さを決める。窓から見える景色などをふまえた窓設計。神棚や仏間を時には隠す納まり。和洋の生活様式を考量した今の時代でも生かされる設計手法)
② 居間を中心とした生活動線(田の字の和室で構成が多かった時代に、LDKを配置し、その周りに目的に応じた部屋を配置する現代風間取りに通じる配置計画)
③ 電化住宅(今ではオール電化は一般的だが、その当時の冷蔵庫や炊飯器まで備えて、電気を使った生活を実現した。)
④ 環境工学的思考「夏の暑さ対策」(南窓の採暖遮熱・採風口・排熱開口・和紙による調湿・空気の循環など環境を考慮した設計、これらは現行住宅設計の基本となって受け継がれている。(今でいうパッシブ設計)さすがに今のような断熱気密への配慮は見当たらないが、日本の気候風土(高温多湿)をしっかりと考えられている)
⑤ 耐震の重要性(建物の出隅部分に家具や飾り棚を設けて、意匠と耐震を兼ねた設計手法)
⑥ 細部の納まり(ガラス押えのネジの向きまで揃えるなど、ディテールにこだわることが建物を美しく見せる本質であると説いている。ここは共感)
まさに、100年前に考案した「日本住宅の理想形」と言うべき、住宅を設計した藤井厚二の先見の力に敬服いたします。
是非とも住宅設計者には必見の住宅建築だと思います。
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